- 作者: 増田明利
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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先日コンビニでふと目に留まり、引き込まれてつい立ち読みしてしまった本です。ホームレスというのは一体どんな人達なのか。汚いし悪臭を放っているし、個人的には積極的にかかわりあいを持ちたいとは思わない人達かも知れません。私は正直、彼らは働く意欲がない無気力で怠惰な人達や、自分の人生について真剣に考えることもしないような人達ばかりだと思っていました。
でもこの本を読んで、本当にリアルな現実に衝撃を受けました。どのようないきさつでそうなってしまったのか、そして今どういう生活をしているのかなど、10数名のホームレスにインタビューをしてまとめた本なのですが、ホームレスになる人達は私達と変わらないかそれ以上のキャリアも収入もあった人達というのには驚きました。
ほとんどが40〜50代の人達で、かつては管理職だったり自営業の社長だった人達もいて、これまでの自分の認識とは違うホームレスの現実を見せられたような気持で、何とも言えない気持ちになりました。それぞれの理由で、ある日突然ホームレスになってしまった人達ばかりなのです。本当に紙一重で、自分もそのような年代なので他人事とは思えません。
元米国系投資銀行ファンドマネジャーだった49歳の男性は、年収が2000万円以上だったというエリートサラリーマンですが、結果を出せなかった為突然解雇され、家庭も崩壊し今ではホームレス・・・。ありえないと思いながらも、自分も米国系外資の会社にいるのでとてもリアルな話だと思いました。明暗を分けるのは何なのか、単に運があるかないかなのでしょうか。何ともやり切れない気持ちです。