私は子供の頃、とてもおとなしくて内向的な性格でした。典型的な甘えん坊のおばあちゃん子でした。小さな頃の記憶を辿ってみても、思い出すのは両親ではなくおばあちゃんと一緒だった事ばかり。私にとっては、おばあちゃんが母親のような存在でした。今思えば、両親は寂しい思いをしていたかも知れません。(^_^;;
小学校の低学年の頃、同級生から何かを言われて、言い返すことも出来ず、ただ我慢して走って家に帰ったことがありました。縁側に腰をかけていたおばあちゃんを見つけると、一目散に駆け寄りました。何があったとか話すのでもなく、ただひっくひっくと泣いているだけでした。ただおばあちゃんの腕の中にいるだけで安心でした。
初めて真冬のドイツに元ドイツ語の先生Sを訪ねて行った時、お休み前に彼女は自分の頬を私の頬にくっつけて、「おやすみなさい。(^_^)」とハグしてくれました。私は、多分私が覚えていないだけだとは思いますが、小さい頃に母親に抱きしめられた記憶がなかったので、Sにハグされた時、何だか気恥ずかしい気持と安心感のような不思議な気持になりました。
私はその時、本当に大人になってもハグしてもらうって大切なことかも知れないと思いました。以前、毎年遊びに行っているコペンハーゲンの元ボスの奥さんにその話をしたことがあります。当時60代前半のミセスは、「私もね、最近P(元ボスの名前)がハグしてくれてないと思うと、彼のところに行って、『ハグして!』って言うのよ。」とニコニコしながら言いました。可愛いなぁと思わず微笑んでしまいました。(^_^)
何かの本で読んだことですが、ちょっと正確ではないかも知れませんが・・、『イエス様は一度に何十億もの人達に目を注がれていますが、あなたがイエス様を見つめると、主はあなただけに目を留め、無条件に抱き寄せて下さいます。』と書いてありました。子供の頃は、おばあちゃんが抱きとめてくれた。それだけで安心でした。大人になった今、主の御腕の中は一番安心する場所、心の拠りどころなのです。