結局土曜日の夜まで吐き気は続いていましたが、今は何とか体調は回復しました。土曜日の午前中は結婚式に出られず残念でしたが、吐き気が続く中にも嬉しい驚きがありました。マンションなので普段は大声を出せないのですが、気分転換に発声練習を始めました。高いパートまで来たので、ピアノで音を調べて見ると、何と高い「レ」まで出ていました。私にとって歌う音域と言うのは「ド」までかなと思っていますが、発声練習で出しても「レ」が限界、というか天井に引っかかるかどうかの音なので、一年に1回か2回はまぐれで出る音でした。それが、のどが痛くなることもなく出ていたのですからビックリです。何故楽に出たのかわかりません。
もう一つ驚いたことは、発声練習をしている時と歌っている時には吐き気がしないと言うことでした。土曜日夕方に近くのコンビにに買い物に行くのも気持ち悪い状態だったのですが、ためしに行き帰り歌を歌いながら歩いていたら全然吐き気がしないのです。日曜日に声楽のI先生と聖歌隊のK先生に聞いたところ、気持ちが歌うことに行っているから吐き気を感じないのか、あるいは「気」によるのかもと言うことでした。K先生も、御自分の体験から、礼拝の独唱の時、講壇に上がって歌っている時はやはり大丈夫なのだとおっしゃっていました。
日曜日の声楽レッスンの時、I先生に土曜日に「レ」が出たことや、昨年のクリスマスコンサートで歌った『きよらに星すむ今宵』の「シ♭」も楽々出たのが不思議だと話しました。日によってコンディションが違ったりする為、土曜日の「音が出る良いポジション」をしっかり覚えて、維持して行きたいと思いました。I先生の御指導を受けながら発声をやっていたら、先生がとても驚かれたのは、私の限界だと思っていた「レ」の1音上の「ミ」まで出たことでした。もちろん私は、いつもの感覚ならば「ド」か「ド♯」を歌っている感覚でした。音域は鍛えれば上も行けるのだなと改めて思いました。「ミ♭」まで出るのは私の憧れでした。ここまで出ないと『椿姫』が歌えないからです。
体調が悪い時の方が体に余計な変な力が入らないので、意外と良い声が出ることもあります。今回私の限界の筈だった音を超えたのも、その辺かも知れません。後は、I先生に姿勢を矯正されながら発声をしたことにもヒントがあったかも知れません。I先生は子供の頃バレエをやっていたらしく、つま先を90度真横にして立つことが出来ます。私はそれは出来ないのですが、声楽の時に息をたくさん入れる為にとても良い姿勢がバレエの時の姿勢らしいのです。確かに、いつもより息が入るし、声量もあるような気がしました。まだまだ訓練しさえすれば、もっと良くなることが嬉しくてたまりません。