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Rejoice always,pray without ceasing,
in everything give thanks;
for this is the will of God in Christ Jesus for you.


Wunderschoen!!スミ・ジョーさんの美声

昨日昼休みに写真だけアップし、後は帰宅して書くつもりでした。でも、金曜日で溜まった仕事を少しでも片付けようと21:30まで残業してしまい、深夜近くの帰宅でぐったりしてしまいギブアップ・・・。ということで、気分も新たに続きを書きます。

12日のコンサートは一ヶ月前からとても楽しみにしていました。妨害なくちゃんと聴きに行けるように、仕事の段取りや自分の体調管理まで気をつけて万全の態勢で行こうと張り切っていました。定時に会社を出て、サントリホールには随分早く到着しました。いつもならコンサートで30分以上前にホールに行くことはまずないのですが、待ちきれない気持ちで一杯でした。ホールはそんな人達で一杯だったのではないかと感じました。

ソプラノ歌手のリサイタルでは、たいていはピアノ伴奏のみか曲によってたまに楽器が加わる程度ですが、今回ジョーさんのコンサートはモスクワ・フィルと日本の合唱団(どこだったか失念しました)付きでした。個人的にはピアノ伴奏でじっくり彼女の歌を聴きたかったので、オーケストラの合間にジョーさんの歌を聴くのではもどかしい感じでした。私の興味はジョーさんだけだったので。(笑)

一曲目から全聴衆が心を奪われたような雰囲気でした。私の貧弱な語彙では上手く表現出来ないのですが、第一声を聴いて「この世のものとは思えないほどの美しい声」に圧倒され、感動でうるうるしてしまいました。カラヤンが『神の贈り物』と絶賛したとどこでも紹介されているのですが、しつこいようですが(笑)、実際は『A Voice from Heaven』と言われたのです。確かに彼女の声は神様からの素晴らしい賜物(gift)だと思いますが、彼女の声は本当に天から聞こえて来るような、透き通るような繊細で優美な声です。

又、どの曲を聴いても、彼女の高度な技術をともなったコロラトゥーラ(軽やかに転がすような歌い方)をはじめとする表現力には圧倒されっぱなしでした。私も声楽を勉強している身なので、体験的に思うのですが、音の強弱、細かいスタッカート、クレッシェンド・デクレッシェンドのメリハリ、又どんなに早い曲でもぶれずに正確で粒が揃っている安定した声だと思いました。軽やかで楽に歌っているように思えてしまうのですが、実はすごく腹筋を使っているからこそ出来る技なのです。

一曲目から「ブラボー」という、それぞれの心の声で一杯の雰囲気でした。曲が終わるたびにそういう感じで、最後はスタンディングオべージョンでした。うるうるするどころか、涙を流して聴いていた男性もいました。素晴らしいと一言で表現出来ない気持ち。wonderfulでもなく、ドイツ語で「wunderschoen」という言葉がありますが、「素晴らしく美しい」という方が近いでしょうか。でも、wunderschoenは美しい絵や景色を見た時に言うのかも知れないですが、彼女の声は芸術的な美しさなのです。

主な演奏曲は、ベッリーニの『清教徒』から『O rendetemi la speme...Qui la voce sua soave』、ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』から『Il dolce suono mi colpi di sua voce!...Ardon gl'incensi』、ベッリーニの『夢遊病の女』から『Oh! se una volta sola...Ah! non credea mirarti...Ah! non giunge uman pensiero』、トマの『ハムレット』から『A vos jeux, mes amis』でした。アンコールは、昨日の写真の通りです。

『Ah! non credea mirarti』は私にとっても思いで深い曲で、イタリア歌曲を一通り終えてオペラのアリアの勉強を始めて、発表会で初めて歌った曲です。又、アンコールの『O mio babbino caro(私のお父さん)』に至っては、二回も歌っているので、先生に「歌いすぎて飽きちゃったからもう歌いたくない」と言っていた曲です。この曲は良くアンコールで歌われます。アリアを生かすも殺すも歌い手次第だなぁとつくづく思いました。とても同じ曲とは思えませんでした。(^_^;;生で聴くと彼女の内面的なものも伝わってきました。彼女は時にいたずらっぽく又ユーモラスな感じで、指揮者のシモノフさんともとても良い信頼関係があるのを感じました。

衣装はゴージャスそのもので、一部は大きなバラがドレスのあちこちにちりばめられたローズレッドが基調のドレスで、思わず「すごーい」と声を出してしまい、隣の席の見知らぬ人と顔を見合せてしまった程です。二部は鮮やかなキラキラしたブルーのドレスで、大きな上着(コートみたいな・・)には不思議な模様(韓国版の唐草みたいな??)があしらわれていました。こういうドレスを着こなせるのは、実力のある彼女だからこそでしょう。

まだまだ書き足りないと思うのですが、とりあえずここまでで、又思い出したら書いていくつもりです。(^_^)